囲碁の奥深さと経営

私は、NHK囲碁対局を毎週録画していて、主に眠れない時に見ています。なぜなら、「10秒……20秒……」という声に眠くなるから(笑)。たいていは数分でいつのまにか寝てるので、いい睡眠導入剤です(笑)。

というのはおいておいて、私は大学時代、囲碁部に入っていました。入ろうと思ったきっかけは、「ヒカルの碁」をみておもしろそうだと思ったから(笑)ですが、結構一生懸命勉強して、弱いなりに大会出たり、級をいただいたりしてました。

今は自分が打つ機会はないですが、NHK囲碁対局を見るのは好きです。

 

それで、今日囲碁対局をみていたら、なぜ多くの経営者が囲碁をやっているのか、わかったような気がしました。

囲碁は、広い盤面のどこに打ってもいいです。はじめからど真ん中に打ったって、端っこに打ったってOK。囲碁と将棋は並べられることが多いですが、この点は全然違うと思っています。

どこに打ってもいい、つまり、あらゆる選択肢の中から、最善だと思う手を、一手一手、選んでいかなければならないわけです。

序盤は「布石」と言いますが(囲碁からきている日本語が結構多いのも興味深いです)、布石は自分の好きな形にする人もいれば、対戦相手のこれまでの傾向を踏まえて打つ人もいる。

中盤以降は、どの手がより大きいかを判断しますが、盤面は一手一手打つたびにどんどん変わるので、その都度判断しなければならない。さっきまでそんなに大きくなかった手が、いつのまにか大きくなっていることもあります。そして、「急所」はどんなに大きな手よりも優先されると教わりました。戦いが起こっていたり、優先して対応しないと傷が大きくなる場所です。

 

盤面は19×19ですから、最初は361箇所から打つところを決めるわけです。

そんなの決められるわけがありません。

囲碁には「定石」という決まった形があり、そうした過去の経験の蓄積を勉強して、まずは基本的な打ち方を勉強します。

でも、定石の中には当然相手の手も入りますから、相手が違う手を打ってきたらなんの役にも立たなくなる。それに、定石は途中までしかありませんから、その先は自分でなんとかするしかない。

あとはもう、過去の対局などから勉強するか、経験を積み重ねるか、いろんな手を試しながらいろんな可能性を探っていくしかない。

 

いやはや、なんと経営と似ているのでしょう。

一手一手が勝負なのです。プロは一手間違えたら負けるといいます。相手も一手一手最善を尽くしてくるので。でも、失敗にとらわれずその後の「一手」に集中できると、逆転できることもある。

目の前の一手、それを最善にするために、常に勉強し、新しい手にアンテナを張り、そして自分でも新しい可能性を追求していく。

よく考えたらものすごいプレッシャーです。

知識、経験、精神力、そして大局観、ああ奥が深い……。

それから、最近はAIが今までにない手を打つようになり、あらたな常識が広がっているようです。これはこれからの経営の世界を示唆するようにも思えます。

 

最近は、人を活かすという面から経営に関心があり、そうした本を読んだりしているから、新しい視点で囲碁を見ることができたのではないかと思います。

久しぶりに打ちたくなってきました!囲碁あらためて勉強しよう!

 

囲碁と経営について書かれている素敵な記事もあったので、貼り付けます。

https://style.nikkei.com/article/DGXMZO29901490W8A420C1000000/

自分が関心を持ちさえすれば、いくらでも勉強できるわけですから、やっぱり恵まれた時代ではあると思います。