安心して辞められる社会

山口周さんの対談が大変刺激的でした。

https://news.yahoo.co.jp/byline/kurashigekotaro/20200106-00156400/

 

「楽しくない仕事を長時間やらされているのは問題だというのは余計なお世話で、だったら辞めろという話なのです。そのような仕事は辞めればいいではないかと。」

まさにそのとおりで、辞めたらいいと思うのです。

ただ、その時に問題なのが、今の日本の転職の在り方。

全然辞めやすくないんですよね。

新しい分野にチャレンジしようとしても門前払いされる。

履歴書や職務経歴書は、本人が盛って書いているのが前提だから、ポテンシャルとか感じてもらいづらい、採用する側も上に説明する根拠が必要だから、字面上経験のある人をとろうとする。

それってどうなんでしょう。

 

私は2つの対応策があると思います。

1つは、今勤務している会社が年に1回など定期的に評価結果を書面で本人に返し、これをもって転職活動ができるようにすること。

そうすると、選考する側は他者評価をみることができるようになるので、本人が書いていることとの整合性がある程度見極められます。

問題は、評価軸を全国統一で作らなければいけないことと、会社のレベルによって評価がわかれてしまうこと。

後者は、会社の評価をするプラットフォームを作って、働いている人はもちろん、地域の人も、お客さんも、下請業者も、みんなが評価する仕組みとか作れば、ある程度カバーできるかもしれません。

 

もう1つは、お試し採用をどんどんやること。まず1ヶ月とか試しに働いてもらって、評価を出す、ポテンシャルも含めて。それを踏まえて仕事内容と報酬を決める。

現実的にはこれかな。

会社は定年までの給料を払うことを前提に、数少ない面接の機会から採用を決めなければならないから、チャレンジができなくなっていると思うのです。

本当は解雇しやすくすればいいと思っています。そうしたら冒険もできる。でも、日本は超保守的なので、解雇規制を緩和することは難しいと思う。

それならば、かわりに採用を工夫したらどうかという発想。

お試し採用の問題点は、もしお試しの結果不採用となったら無職になることでしょうか。

合わない会社に長々といることも長期的に見ればコストでしかないと思うので、結果いいとは思うのですが、お試し採用でだめだった時のことを考えて今の仕事を辞められないという人は出てくるかもしれません。

かわりに、失業給付を柔軟に受給できるようにして、アドバイザー的な人を担当制でつけて、長い目で見て良い転職ができるような形にするとか。

 

長く同じ会社にいる方が、日本の制度では給料が高くなります、一般的には。

でも、本来はいろんな経験をして、いろんな角度から社会を見たほうが、発想の幅も広がるし、対応力も上がる。

それなのに、会社をかき回されると思うのか、そういう人を積極的に使おうという発想は日本企業ではどうも乏しい気がしています。

それは、日本企業の懐が浅いということを物語っているよう思えてなりません。

 

チャレンジできる社会を、チャレンジしたいと思える社会を、作るためにできることをやっていきます。