強い口調の非効率

国会がはじまりました。菅政権になってはじめての国会。早速野党が追求を強めているようです。

菅首相は、安倍元首相に比べて、野党の追求をうまく受け流すことが得意ではないように見えます。まだはじめたばかりでコツがつかめていないということもあるでしょうし、元々そういうことが得意なタイプではないということもあるでしょう。

菅首相の私の勝手なイメージは、裏方で誰かの右腕としてコツコツ戦略を立てるのが長けている人という感じ。野党の追求を受け流すには、おそらく菅さんは優しくて誠実すぎるのだと思います。受け流すには、ずる賢さや鈍感力が必要。でも、どんな人に総理大臣になってほしいかって考えたら、優しくて誠実な人がいいですよね。今の国会のやり方(特に野党の追求の仕方)だと、そういう人が総理大臣になった時に苦しくなりやすいと感じます。

 

強い口調は基本的に相手の防衛本能を働かせます。攻撃から自分を守るために準備するエネルギーが働くので、いい答弁をすることに割けるエネルギーが減ってしまうのです。

野党議員の強い口調での追求は、パフォーマンスもあるとは思いますが、日本を良くするという観点からすると非生産的だと思います。国会で答えたことは公式なものとして一生残りますから、安易なことは言えません。どこまで言って問題がないかを、一言一句考えながら答弁しています。仮に菅さんが、ここまで言っても大丈夫かなと考えようとしても、野党が強い口調で、しかも急かしてきたら、十分考える時間も余裕もないので、安全な範囲で答弁を繰り返すことしかできません。野党が求めている(と言っている)首相の生の言葉というのは、どんどん出づらい状況になる、そう追い込んでいるのは野党です。

 

そもそもああいう、何を言っても批判しますよっていう討論って、意味があるのでしょうか。責任を押し付けているだけのような気がします。自分たち(野党)は問題点を指摘したけど改善しなかった与党が悪い、と言うためのアリバイづくりのよう。問題点がない施策なんて存在しません。いかに最小化できるか、それだけの話です。その問題点とメリットと、どちらが大きいのか、何は許容できるのか、問題点をさらに小さくする方法はないのか、そういう提案をするのが野党の仕事なのではないですか。

 

国会をみているといつも気分が悪くて、もちろん与党がしっかり応えていない面も問題がないとは思いませんが、いつもいつも同じパターンで追求して、出さない方が悪いと言っている野党も、責任転嫁なんじゃないかと思います。企業だったら、同じやり方がうまくいかなければあの手この手を考えてやるでしょう。うまくいかないっていうことはそのやり方が良くないってことなのに、相手が悪いからだって、人のせいにしてなんの努力もしない人たちが国民の代表のように見えてしまって、とても残念です。