防衛を手放すこわさ

今日は、カウンセリング(教育分析)を受けてきました。

毎回いろいろな体験をさせていただいていますが、今日はとくに興味深い体験をしたので、記録に残しておきたいと思います。

 

テーマは防衛。人に批判されないように、先回りして自分で自分を批判しておくというもの。

うまくいっている、と思っていたら、そうでもなかった(ほんの少しでも)ときに、「全然そんなことないのに調子にのって」とか「バカだな」とか、そんな感じの声が自分の中でします。というか、そんな声にもならないような感覚で、あえて言葉にするならそんな感じ。体感的には、漠然とした不安、焦り、ときには消えてなくなりたくなる感じ、があります。

 

この感覚について深めてみると、私は人に批判されて立ち上がれなくなるくらいつらくならないために、先まわりして自分をまもっていたんだなぁということがわかってきました。

 

でもじゃあ、今はそんな批判されることもないわけだし、自分で自分を追い込む必要ないよな、もし、そんな声がなくなったら……ということを考えたら、急にこわくなりました。

あー、自分は、自分で自分を批判して、ここがダメだ、そこがダメだ、と言っていることで安心していたんだなぁと。

もしそれがなくなったら、どうしたらいいのか、とても不安になりました。

 

たしかに、防衛は、その人が生き抜いてくるために必要な対処法だったものであって、大切なものだと、学んできました。

そう理解しているつもりだった。

でも、あぁ、こんなにも支えであって、てばなすことがこんなに不安なのかと、私の人生を共に生きてくれていたものなのだと、とてもとても大切に思えました。私はその防衛によって傷つけられてつらいのに。

 

大学院で学んだときは、未熟さもあったでしょうが、防衛が問題で、なんとかしなければならないもの、というくらいの理解でした。

とんでもない。

防衛は、その人にとってかけがえのない、人生のパートナー。それを手放すことは、ものすごく勇気のいることで、大きな不安が伴うことです。

それを体感することができてよかった、と思いました。少なくともこれまで以上に、大切に想うことができる、手放すことのこわさを、共有することができる。

 

変えなければいけないことなんて一つもない。すべてが、その人が生き抜いてくるために必要だった大切なもの。

ただ、今生きづらいところについて、少し楽になれる方法を一緒に探してみる。

そんな感じの気軽さで、カウンセリングを受けるのが当たり前になったらいいなと思います。