専門性と、変わる力の価値

一人で仕事をしていこうと考えた時に、いつもぶつかる大きな壁があります。

それは、専門性とは何か、ということ。

私は、臨床心理士として一般の人より専門性はあると自覚していますが、一方で、足りないところもたくさんあると思っています。「自信がある」と言える時は一生こないのではないかと思います。

また、法律や制度についても、厚生労働省で約8年働いて、一般の人より詳しいし調べる力もあると思っていますが、上には上がいることも知っています。まだまだ勉強が足りないと自覚している。

じゃあ私の専門性はなんだろう、、、と、そこで行き詰まってしまうんです。

足りないところがたくさんあるから、“専門家”というのもおこがましい。でも、私でも力になれることがあるということも知っている。それでも世間は完璧な専門家を求めているようにも感じる。そこになんともいえないジレンマを感じます。

 

反面、私が人を見るときは、ピュアであること、自分の考え方を固定しすぎていない人の方が価値があると考えています。人を見る時に、専門性はもちろん大事ですが、それよりも、固まりすぎていないかということを重視しています。学ぶ力、受け入れる力があれば、多少の専門性の不足は補うことができると思っています。

 

おそらく、多くの会社で、スキルや経験を踏まえて採用したのに、思ったほどじゃなかった、という経験をされていると思います。当然です、その会社に合わせて変わる力があるかどうかは評価していないのですから。

価値観、変わっていったらいいなぁと思うのです。今どこにいるか、ではなく、伸びしろを見る力を、日本社会が養っていけたらいいと思うのです。

 

これからはますます変わっていくことが大事になっていく時代。変わる力の価値を、きちんと評価できる社会になっていってほしいと思います。