無意識が人を傷つける
自分の無意識について、どこまで自覚していますか。
例えば、悲しい、不安、怒った、裏切られた、否定された、といったネガティブな感情。
こうした感情は、日本では特に持ってはいけないものとされているようで、存在しないかのように生きている人がとても多いと感じています。
つまり無意識、無自覚です。
これが無用に人を傷つけ、追い込んでいるように思います。
例えば、経営が思うようにいっていない経営者。もちろん不安でしょう。自分がどうしたらうまくいくのかもわからない。会社の命運は基本的に経営者にかかっていると本などで言われていて、自分の力不足をどこかでは感じている。でも認めたくない。
こういう感じの心の動きが裏側にあるんだと思います。
その結果、従業員の粗探しをする。自分ではなく、従業員が悪いのだと、責任転嫁できる先を一生懸命探し、おいつめ、やっぱりこの人が悪かったのだと思い込もうとする。
それで経営が持ち直すことはおそらくないのですが、それでもそうせざるを得ない、自分が安心したいから。
でも、責任転嫁された方はたまったものではありません。その人なりに頑張っているところが少なからずあるのに、それを全面的に否定されるわけです。ものすごく心が疲れます。自分はそんなに悪いのだろうかと考え、不安になり、また頑張ってみるけど、また否定される。心の健康を維持するには大変なエネルギーがいります。
こういうものの一部が、パワハラとしてラベリングされたのだと思います。でも、パワハラと名前のつけられないものも山ほどある。
自分の無意識にも、どうか責任をもってあげてほしい。それが誰かを知らないうちに追い込んでいる可能性に気づいてほしい。
無意識が大きくなるというのは、自分を受け止めてもらった経験が少ないという証拠。だから、無意識が大きい人自身のせいではない。でも、だからといって、バットを振り回して、他の人をブンブン傷つけていいわけではない。
良いカウンセリングを受けるというのはとても効果があります。もっと自由になれます。