建築、生花、歌舞伎、人を育てること

今日は、「安藤忠雄78歳 青春を生きる」というテレビを見ました。こういう番組を作る制作会社は粋ですね!

 

番組を見て、たくさんインスピレーションをいただきました。

一つは、建築と人材育成は似ているということ。番組に出てきたのは、昔からの美術館を生まれ変わらせるという企画。元の建築の良さを生かしながら、未来を感じてもらえるような、200年300年残っていく建築にしようと創意工夫されていました。

そんな様子を拝見して、人を育てるのも一緒ではないかと感じました。

一人一人の良いところを見つけ、さらに輝くためのヒントを渡す。細かいところは違うかもしれないけど、根本は同じではないかと。少なくとも全部壊して一から作り直すわけではない。

一から作る建築も同じ。建物を建てる地面が必ずある、その地面がどんな性質かを把握し、まわりの環境を踏まえて、適した設計をする。

 

そう考えると、なんでも同じなのではないかと思いました。

たとえば生花。花や葉の特性を見極め、良さを引き出すように生けることを極めます。

歌舞伎は、古典をとことん身につけた上で、時代に合った変化にチャレンジする。先日テレビで、尾上菊之助さんが話していた言葉が印象的でした。今の古典も当時は新しかった、今新しい演目にチャレンジしているのは、未来の古典を作ることを目指しているのであって、目新しいことをやろうとしているわけではない、と。

 

そう考えていくと、本質を見る「目」を磨くことが大切なのではないかと思うのです。そのためには、先達の知恵を学び、良いものにたくさん触れ、自分の偏りに意識を向け続けること。

今この一瞬にも学べることは山ほどある、テレビのコマーシャル、家具の形、街行く人の表情、などなど。勉強の材料が無限にある、ある意味恵まれた時代です。

その一瞬一瞬をどう生きるかは自分次第。そういう意味では厳しい時代でもある。

 

まだまだ考え続けていきたいです。