考え方のクセ

認知行動療法では、考え方のクセにアプローチすることが多い。

白黒思考とか、べき思考とか。

ただ、こういう考え方のクセって、これまでの人生の中で培われてきたものです。そういう考え方をすることによって、怒られる回数を減らしてきたかもしれない、危険から逃れてきたかもしれない。

こういう考え方をもっと柔軟にしよう、というのが認知行動療法の目的。だけど、これまでのうん十年ともに過ごしてきた考え方を、そう簡単に変えられるわけがないと思うんです。

まずは、そういう風につい考えてしまう自分に想いを馳せてあげたい。そんな自分を大事にしてあげたい。

ついネガティブに考えてしまうよね、自分がダメだと思ってしまうよね、嫌われてると思ってしまうよね、と。

 

認知行動療法のスタートは、本当はそこからではないかと思うのですが、考え方のクセがある自分を否定することからはじめさせることが多いように感じます。

それは、ものすごくつらいこと。今までの人生を否定するような重さがあることです。

 

そう簡単には変われない、そこを認めることから始めてもいいんじゃないでしょうか。

そう簡単に変われるわけがない、あなたも、私も。

 

変わるためには、自分を心の底から信じて、受け止めてくれる人の存在が必要です。それがなかったら、「変わる」なんていう恐ろしいことに挑戦できるわけがない。

多くの人は、支えることもせずに変わることを強要する。それは、親切のつもりかもしれないけれど、拷問になることもあると思います。