あなたの存在を肯定する
「ツバキ文具店」という本がNHKでドラマ化されていて、本が大好きなので、DVDを借りてみました。
多部未華子さんが鳩子、なんてぴったりなんでしょう。
第3話。男爵が、金を貸してほしいという知人に対して断り状を出したいという代筆の依頼でした。
鳩子の書いた手紙が本当に優しい。
金は貸せない、でも、困ったら飯を食いにこい
という感じの内容。
これが簡単に書いているようでとっても難しい。
困った要求をしてくる人がいたら、たいてい、その人自身が困った人だとレッテルを貼って、つい遠ざけようとしてしまう。
困っているのはその要求であって、本当はその人自身ではないはずなのに、シンプルにしてしまう。その方が「自分」が楽だから。
でも、そうされると相手も心を閉じてしまう。
自分を否定されることはつらいことだから。
その人自身のことは認める。
その上で困ったことを伝える。
それが、ものすごく難しい。愛情深いことです。
臨床心理学を勉強してきて、境界性人格障害の人には、枠をきちっと守って接するということを教わりました。
でも、その本質は、これなのかなとはじめて理解した気がします。
枠をもつことが大切なのではなく、枠は手段。
無理な要求に応えることはできないけど、それでもあなたを大切に思っています、と伝えること。
そのためには、自分の不安を手にとるように気づいていることが必要。
人と関わることは本当に奥が深いです。